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イギリス人から日本人に伝えたい、イギリスの隠れた名スポット By Sayaka Matsumoto |
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1832年に愛知出身の水夫「オトキチ」が日本人で初めて英国に足を踏み入れてから約180年、今では年間50万人の日本人がイギリスを訪れ、在英日本人の数は5万人以上に上る。英国大使館によると、この数は、ヨーロッパに住む日本人の数としては最大とのことだ。 今では、ウェストミンスター寺院、バッキンガム宮殿など、ロンドン内のどの観光スポットに行っても必ず日本人の姿を見かけるほどである。 イギリスへの日本人旅行客が増えるに連れて、MIKI トラベル、AWLトラベル、GENDAI TRAVELなどロンドンに拠点を置く数々の日系旅行会社による、日本人向けのロンドン現地発着のツアー等も増えてきている。 そんな中、一際異彩を放っているのが、「Hello England」、イギリス人のジョン・チズム氏が、日本人向けに日本語でイギリス内の隠れた観光スポットを中心に少人数の個人ツアーをしているユニークな会社である。子供からお年寄りまで楽しめるツアーをオーダーメイドしてもらえるということで、2005年に創立されたばかりにも関わらず、在英日本人を中心にあっという間に有名な存在になっている。 せっかくイギリスに来たのだからイギリス人にガイドしてもらいたい、でも英語が分からないのは不安・・という日本人の人々にも、日本語で安心してイギリス人にガイドしてもらえる異色のツアーとして人気があるようだ。また彼の個人ツアーでは、イギリスのメジャーな観光スポットだけではなく、本当のイギリスの良さを感じられるような隠れた名スポットの数々を案内し、ツアー中にはチズム氏自身が日本語にてイギリスの様々な文化や歴史を紹介していく。ツアー人数は2人から6人ほどの小規模ということで、よりパーソナルであたたかな交流ができるようだ。 まさにこのUK-JAPANのサイトの理念と同じく、日本とイギリスの文化紹介の架け橋となるべく体当たりで奔走しているジョン・チズム氏。UK-JAPANでは、今回このHello Englandの創設者であるジョン・チズム氏にインタビューをお願いし、彼自身のツアーへの思いについてお伺いした。
UK-JAPAN: ハローイングランドの個人ツアーを始めようと思ったきっかけは何ですか?
ジョン: 素敵な場所に色々な方達を連れて行きたいとの思いからです。私はもともとブリストルの近くの田舎出身なので、ロンドンの外に行くことはとても好きです。ロンドンに住む多くの日本人は、ストーンヘンジや湖水地方、バースなど、いくつかのメジャーな観光地にしか行ったことがないという方が多いので、日本人の皆さんに、イギリスの違った側面をご紹介できたら面白いだろうなと思ったんです。
UK-JAPAN: イギリスのメジャーな観光スポットの他には、どんな場所をツアーでご紹介していますか?またそれらの場所を選ばれた理由はどんなことでしょうか。
ジョン: イギリスには、シェフィールドパークガーデンやベートマンズ、イーストサセックスにある庭園等など、ナショナルトラストに指定されている隠れた素晴らしいスポットがたくさんあります。エヴベリーにある巨大なストーンサークルも非常に面白い場所です。実際、あの有名なストーンヘンジより大きく古いのですが、多くの石が取り除かれてしまった為に形が崩れてしまっていてインパクトがやや薄いため、ストーンヘンジのような世界的に有名なランドマークにはならなかったのです。あと、ビーコンスコットにあるミニチュアの村もとても素敵です。小さな電車が1930年代のイギリスをモデルにした街中を走っています。また、ビューリーもおすすめです。重厚な雰囲気の家屋や庭園、また素晴らしい車博物館もあり、19世紀初期の車からジェームスボンドの車に至るまで、あらゆる車が展示されています。メジャーな観光スポットに行きたいけれども、あまり有名でない村や場所も途中で見てみたいというお客様も多いので、ハローイングランドのツアーではお客様に行きたい場所を個人的に選んだり組み合わせたりして頂いています。
UK-JAPAN:大人数でのツアーでなく、少人数のプライベートツアーの形式を選ばれた理由は何でしょうか?
ジョン: 多くの方々は、個人的なアプローチの方をより好むのではないかと思います。大きな観光バスなどでは、ガイドが「えー皆様の左手にシェイクスピアのお母さんの家が見えて参りましたー」というように、一方通行の会話になってしまいがちです。一方、少人数のツアーの場合には、お客様がどのようなことに興味を持っているのかをお聞きすることができますし、その方が私にとってもより面白いんです。また、ツアーの最中にゲームをしたりイギリスについてのクイズをしたりできますし、この方がガイドの独り言よりずっと楽しいツアーになると思います。
UK-JAPAN: なぜ「日本人専門」の個人ツアーをされようと思われたのでしょうか?
ジョン: 私自身、日本人の方々と一緒に働くことはとても楽しい経験だったんです。殆どの日本人は、礼儀正しく、また色々な建築物やスポットの歴史や背景にとても興味を持ちますよね。私は日本に3年間住んだことがあり、またロンドンの日本人学校でも7年間英語教師として働いた経験があり、日本語もある程度話すことができ、日本人の方々が興味を持つであろう場所や事柄などもある程度理解することができるので、ハローイングランドを日本人の方々のためのツアーにするということは、私にとって自然なことでした。
UK-JAPAN: 日本ではどのような場所に行くのが好きでしたか?
ジョン: よく自転車で、自分の住んでいた場所の近くの小さな村々を廻っていました。急ぐ必要がないというのは素晴らしいことですよね。のんびりとたんぼの周りを自転車でサイクリングしたり、小さなお寺などを見つけたりしていました。 大きな旅行はあまりしていないんです。姫路城はとても良かったです。あと九州の阿蘇山も素晴らしかったです。 私にとって、できればもう行きたくない場所は・・・高島屋です(笑)。日本に住み始めてまだ一年目の頃、紅茶を買いたくて、片言の日本語で高島屋の店員さんに「Tea-bagsはどこですか?」とたずねたところ、その店員さんは恥ずかしそうに5階を指差しました。行ってみたら女性の下着売り場だったんです。私は紅茶のティーバッグを探していただけで、Tバックの下着を探していたわけではなかったんですけどね・・・・(笑)
UK-JAPAN: イギリスの歴史と日本の歴史には、どのような似た点、また異なる点があると思いますか?
ジョン: そうですね。まず、イギリス・日本両国とも島国で海に囲まれているという類似点があります。エリザベス1世の時代に、強風がスペインの無敵艦隊をイギリスから追い払ったという事実も、1281年に強風がモンゴル海軍のフビライハンを日本から追い払ったという歴史的事実とちょうど類似しています。国防という点以外で考えると、両国とも、近隣の大陸の事柄は自分達には関係ないといったような横柄な感覚が時々あると思います。イギリスの政治家やメディアはヨーロッパの他の国々に対してあまりポジティブな態度ではありませんし、ちょうど日本の政治家やメディアがアジアに対してあまりポジティブな態度ではないのと似ていると思います。 日本は1641年から1853年にかけて鎖国をしていた時期があり、このことは今でも日本人の外国人に対する態度に多少の影響を及ぼしていると思います。また、イギリスは巨大な帝国支配をしていた時期があり、それにより英語が世界に広まりました。 このことはイギリス人にある種の優越感のようなものをもたらしたと思います。一方、当時の占領下の国々から多くの人々がイギリスに移住したことにより、イングランド、特にロンドンが多様な民族が混在することにつながり、このことは様々な利点を生み出していると思います。
UK-JAPAN: イギリスの文化や場所に対する価値観は、イギリス人と日本人でどのように違うと思いますか?
ジョン: 「文化」と一口にいっても、文学、芸術、建築、音楽、食べ物、飲み物、演劇、ミュージカルなど様々な意味を含んでいるので、そのような意味でいうと、イギリスは、日本人が興味を持ちうる多くの「文化」を持っていると思います。多くの日本人が、今なお多くの古い建物がイギリスに存在していることに感銘を受けています。石造りのコテージやパブ、教会などは500年以上の時を経て実際に今でも使われているところも多くあります。この理由の一つは、イギリスには地震が存在しないということなんです。同時にイギリスの人々が歴史や個性をもった家屋や建物を好きだからという理由もあります。日本では歴史的な建築物は多くはありませんが、「節分」や「紅葉」などイギリスにはない多くの伝統やイベントがありますよね。
UK-JAPAN: イギリスの文化のどんな面、またイギリスのどんな場所に、日本人が興味を持つ傾向にあると思いますか?
ジョン: イギリスに旅行に来る方々の殆どは、限られた時間しかないので、やはり当然、ビッグベンや大英博物館、バッキンガム宮殿などを見たいと思われると思います。ロンドン以外では、多くの日本人の方々が、コッツウォルズやオックスフォード、ウィンザー城やバースなどに行くのが好きなようです。私のツアーではこのような場所にももちろんお連れしていますが、同時にセブンシスターズなどへのツアーやハリーポッターツアー、くまのプーさんツアーなども行っています。
日本人の方々は、イギリスの様々な場所への、プロフェッショナルで面白くて、しかも様々なことを学べるツアーを求めていらっしゃると思います。ハローイングランドではそのようなツアーを提供していくことができたらと願っています。
UK-JAPAN: 今後もぜひ日本人へイギリスの隠れた魅力をご紹介していって下さい。どうもありがとうございました。 ジョン: ありがとうございました。
今後も、イギリスへの日本人観光客、留学生の数はますます増加していく傾向にあるだろう。観光業のあり方も変化していくに連れて、かつてから有名な観光スポットや観光の仕方だけでなく、イギリスで何を見たいか、どんな面を見たいか、どんな歴史を知りたいかを選べる時代になってきている。イギリスの歴史を感じながら小さな村々を周るのも、ビッグベンやバッキンガム宮殿だけでないイギリスの一面を知ることができる絶好のチャンスである。今後彼のように、イギリス人個人による人から人への文化紹介が増えていくにつれて、日本人の目にうつる「イギリス」への理解も、徐々に変化していくかもしれない。
今回インタビューに応じて下さったJohn Chizm氏が企画するHello Englandツアーのウェブサイト: REFERENCES: To read in English, Click Here (この記事を英語で読む) 過去の特集記事を読む | UK-JAPANのトップに戻る|12月の特集記事(1)を読む| Previous Features
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