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日本とイギリス By Barry Crisp
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日本と比較してみるとイギリスに存在するものは全て遅れているように感じる。イギリスが、機能的な日常生活を乱してしまう恐れがあるからという理由で、公共機関や建物の改善に対して渋り続けていることは、結果的にこのいわゆる「多文化社会」を、ただの質素で面白みのない、毎日同じことを繰り返すだけの社会へと導いてしまっている。しかし、全てに対して完璧であることを目指す日本の懸命な努力は、同時に日本の人々に大きなストレスを負わせている要因にもなっている。「時々、たまには電車が遅れてくれたら・・と思うことがあります。一度でも、そういう意味でのフラストレーションを味わせて欲しい・・」と通勤で日本の電車を利用する中川しず氏は語っている。 イギリスの公共交通サービスは10回のうち9回は遅延が発生している。しかも一言のお詫びの放送も無しに、である。日本では、もし電車やバスに遅延が発生すると、必ず運転手は乗客に対してお詫びの放送を流す。日本の人々がスケジュール通りに生活できるのは95パーセント以上の確率で電車が時間通りに到着するお陰といえるだろう。信じられないようなことだが、東京の地下鉄を利用する一部の乗客達は、今までに電車の遅延を一度も目にしたことがないという。ロンドンを訪れる日本人の多くは、ロンドンの公共交通サービスのあまりの酷さに衝撃を受けてしまっている。 日本でのショッピングはイギリスでのショッピングよりもずっとエキサイティングだ。何せ「隠れた穴場ショップ」も含めると、日本はイギリスよりも2、3倍の店があるのである。しかし、ショッピングに向かう際、何を買おうと思っているのか、どこの店で買おうと思っているのか等しっかり確認しておかないと、まるで映画の「Lost in Translation」の主人公のように異国の街中で迷子になった気分になってしまうだろう。たくさんのショップがあるということは、服や食料品、その他の贅沢品などに関して、選択肢の幅がより広がることに繋がる。しかしそれは同時に、日本を「消費暴走国」にしてしまっている要因でもある。今まで訪れたことのある国の中で、渋谷や東京ほど、多くの人々がショッピングバッグを手に提げて歩いている都市は見たことがなかった。 イトーヨーカドーや長崎屋等の日本のデパートは、家族連れには最適な場所である。デパート内には、レストランを初め、子供が遊ぶことができるプレイエリアや、スーパーマーケット、電気店、携帯電話ショップなど数々の施設が揃っている。イギリスの中でも、特にロンドンのデパートは、家族連れの客が、より楽しく便利に買い物ができるよう更なる工夫の余地がある筈である。しかしロンドンは、全てが灰色の雲に包まれて陰鬱でお先真っ暗・・という訳でもない。ロンドンには美しい公共の公園やコベントガーデンやカーナビーストリートのようなお洒落でユニークなスポットもあり、これらは東京と比べるまでもなく、また東京では決して見つけることができないものである。 日本には覚えきれないほど様々な習慣が存在する。友達や親戚の家を訪問する時には、通常小さなお土産を持参するのが普通であり、むしろ必須である。 同じことがイギリス内で日常的に行われていたら、逆にとてもおかしな状況である。もしも日本に行き友達を訪問する機会がある時には、日本人が必ず喜ぶイギリスのティーバックやクッキーをお土産として持参することを念頭に置いておくと良いだろう。 日本での旅行は、英語での標識がいたるところに掲げられているため、外国人にとっても比較的楽に感じるだろうし、片言の基本的な日本語のフレーズさえ覚えておけば大丈夫であろう。日本人はとても親切で、喜んで手助けをしてくれようとするし、おそらく日本人は世界で最も外国人に対して心から受容的な国民であるといえるだろう。 イギリスに大きく欠けている一つの面は、文化とアイデンティティの感覚である。日本は西洋の文化やライフスタイルにずっぽりと浸っているにせよ、彼らは未だ文化的なイベントを毎年行っている。日本の夏祭りや、桜の木の下でのお花見は、日本を訪れた際には必見の行事である。 日本は素晴らしい国である。イギリスよりも安全であり、また人々はよりフレンドリーで、食べ物も交通システムもイギリスより優れているだけでなく、することもたくさんある。しかしながら、日本はここ10年ほどかなり深刻な状況に陥っている。労働過多と消費者文化が祟った結果、日本の出産率は明らかに低下の傾向を辿っているのである。小さな子供を持つ多くの親達が30代からそれよりも上の年齢であり、しかも子供の数は多くはない。イギリスにはかなり多くの若い親達が存在しているため、人口減少の問題はイギリスにおいてはこの先当分の間懸念されることはないであろう。 日本語や日本の文化を進んで受け入れ、理解していこうという態度を持つ限り、日本で生活することは、とてもエキサイティングであり、得るところの多い経験であるだろう。日本について耳にするおかしな噂話が何であるにせよ、それらの殆どは事実からは程遠いものであるか、日本に対する西洋人共通の誤解によるものであろう。東京は若い人々の仕事や娯楽には最適の場所であるが、子供を持つ家族が日本に長期滞在をする際には、郊外や田舎の地域を選択するのがベストであろう。
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